GTX750Tiの消費電力を調べる

ワットパフォーマンスで人気のGTX750Ti
いくつかのグラボと比較して消費電力とその性能を探ってみた


用意したのは5つ

・玄人志向GF-GTX750Ti-LE2GHD
・ASUSGTX750TI-PH-2GD5
・玄人志向GF-GTX750Ti-E2GHD/OC
・SAPPHIRER7 370 2G GDDR5 PCI-E DI/DD/H/DP DUAL-X
・ASUSGT730-SL-2GD3-BRK

750Ti、750Ti、GT730 750Ti、R7 370
750Ti、R7 370

ASUSとクロシコの750Tiはいずれも.comランキング上位で人気の製品
ASUSのGT730もファンレスで人気が高い
R7 370は補助コネクタの向きがいいね

価格.com
2016/01/13現在

なんでGTX950や960がなくてラデオンのわけわからんものもってくるのかと言われると、ただたまたま持ってたからとしか
いずれも28nmでメモリ2GBの製品だが、大きな違いとしてクロシコのデュアルファンとラデオンは6pin補助コネクタが1つついている



GPU-Z

GF-GTX750Ti-LE2GHD              GTX750TI-PH-2GD5
750Ti クロシコ 750Ti ASUS
GF-GTX750Ti-E2GHD/OC            R7 370 2G GDDR5 PCI-E
750Ti クロシコOC R7 370
GT730-SL-2GD3-BRK
GT730

GT730はKeplerコアのGK208
補助コネクタなしの750Tiはまったく同じ性能なのがわかる



テスト環境

CPUi7-3770
CPUクーラーリテールクーラー
マザーボードDZ75ML-45K
メモリW3U1600HQ-4G
SSDCSSD-S6T256NHG6Q
電源KRPW-SS500W/85+
OSWindows7 Pro 64bit

CPU-Z 構成

これにUSB接続のマウスとキーボードを挿した最小構成にて行う
アイドル消費電力的には残念な構成だが今回はグラボのテストなのでそれほど問題ではないだろう

ベンチマークは3DMark11、FF14 イシュガルド、PSO2、ドラクエの4つを試した
ワットモニターをモニター前に配置しベンチマークしながら消費電力も別PCにて録画する

録画の様子 カメラ視点

こうすることでかなり効率よく消費電力をはかることができる
まずはベンチマークデータ
GTX750Tiは補助コネクタありをOC、ロープロをLE、ASUSをPHで表記する
設定は解像度等すべてデフォルトで、FF14のみDirectX9→11、高品質(ノートPC)→最高品質に変更している

FF14PSO23DMark11ドラクエ
i7-3770 内臓GPU---2329P8096943
GTX750Ti LE843478408P563519300
GTX750Ti PH837879664P568019440
GTX750Ti OC894387155P609619382
R7 3707667100369P785920484
GT73019524375P192611762

FF14 750Ti OC PSO2 750Ti OC ドラクエ 750TiASUS

FF14はゲフォに最適化されてるのかいずれもラデオンより高い数値が出ている
それ以外はR7 370が性能に見合った数値を出してるといえそうだ
GT730もドラクエ程度のゲームをやるならちょうどいいグラボといえるかもしれない
GTX750TiOCは補助ピンがあるだけあってほかよりスコアが少し伸びている



温度

室温15℃
アイドルFF14PSO23DMark11ドラクエ
GTX750Ti LE1955544837
GTX750Ti PH2055555040
GTX750Ti OC1647464131
R7 3701852544740
GT7302455504851

やはりデュアルファンの750Tiが強い
ASUSの750TiがGT730ファンレス並みに温度が高いのはファン回転数が低いためだと思われる
ファン回転数はASUSの750TiはGPU-Zで22%と表示されそれ以外はすべて40%になっている
このクラスのグラボは温度はこれくらいでじゅうぶんで、静音やコスパを優先すべきだろう



消費電力

まずアイドル消費電力と地デジ再生時を測定
地デジはTSファイルを画面半分の960x540解像度で再生したときの消費電力を計測した
地デジ再生時は1Wほど振れ幅があったので高いほうの数値を表記する

アイドル地デジ
i7-377022.729
GTX750Ti LE34.339.5
GTX750Ti PH34.339.5
GTX750Ti OC37.843
R7 37030.839
GT73027.932.5

当然グラボのない状態が一番消費電力が低い
750Tiは消費電力が高めだが、特に補助電源付きがアイドルで3.5Wも高いのが残念だ
アイドル消費電力の低さが特徴のラデオン、R7 370はGT730には及ばないもののその低さが光る
地デジ再生時も750Tiにほぼ並ぶ程度でなかなかいい数値を出している

ベンチマーク時の消費電力は今までは単に一番高い数値だけ抜き出していたが、それではあまりに適当すぎると思い分割して比較することにした
ベンチマークの長さはだいたい
・FF14 500秒(8:20)
・ドラクエ 400秒(6:40)
・PSO2 290秒(4:50)
・3DMark11 225秒(3:45)
ここからFF14は50秒の10分割、ドラクエは8分割、PSO2は6分割、3DMark11は6種類の各ベンチマークごとで分割し、分割した中での最大消費電力とそれらの平均値を算出、表にまとめる
こうすることで目視による間違いを防止し、最大値以外での比較もできるようになる
ワットモニターの表示は1秒更新だがさすがにそれを目視でデータに起こすのは骨が折れるので…
なおワットモニターでは100W未満は小数点以下も表示されるが見やすさのため四捨五入して表記する。(平均値は小数点以下も含め計算)
ドラクエと3DMark11はi7-3770の内臓GPUも記載した

FF14 イシュガルド
12345678910平均値
GTX750Ti LE127130127126131129143144137133132.7
GTX750Ti PH126130127127132132130126115108125.3
GTX750Ti OC112134125129131132132139137133130.4
R7 370167157154151154160173171166156161.1
GT7309468686263657882826172.3

ドラクエ
12345678平均値
i7-3770806881828085788680.2
GTX750Ti LE989610289107102878795.9
GTX750Ti PH939610390108103898996.5
GTX750Ti OC989610189106103888996.1
R7 370117111111117133132111117118.6
GT730767172737676727473.7

PSO2
123456平均値
GTX750Ti LE139133133140141128135.7
GTX750Ti PH138134136142146131137.8
GTX750Ti OC140135136139146130137.7
R7 370165175173165167168168.8
GT73069665772545261.6

3DMark11
GT1GT2GT3GT4PTCT平均値
i7-3770736165641087975
GTX750Ti LE130121120123112139124.2
GTX750Ti PH128121120123114141124.5
GTX750Ti OC137127122125115141127.8
R7 370139132133132104181136.8
GT730797573761018080.5

上から順に見ていこう
FF14はR7 370が750Tiより30Wほど高い結果となっている
奇妙なのがASUSの750Ti、後半の消費電力がやけに低くなっている
なにか間違ったかなと思い再度ベンチマークを回してみたがやはり同じような数値になった
ほか2つの750Tiはだいたい同じような傾向が見て取れるだけに、ちょっと不可解だ
GT730は最初に大きな負荷がかかるのかそこだけが94Wと高い数値になった。平均値との差が32Wもある
こういうのがあるので最大値だけを消費電力として採用するのはどうかと思うわけだ

ドラクエでは興味深いデータが取れた
GT730が内臓GPUより数値が低いのだ
ドラクエのような軽いゲームならローエンドグラボも付ける価値ありといえそうだ
ほかのグラボは同じ箇所で最大値が出ており似た傾向にある

PSO2は全体的に消費電力が高い
しかしGT730はドラクエより消費電力が低くなっており、重いゲームをするほど消費電力が増えるわけではないことがわかる

3DMark11はベンチマーク項目ごとに分けており、Graphics Test1~4がGPU、Physics TestがCPU、Combined TestがCPU+GPUに対して負荷がかかっているらしい

*参考
 完全理解「3DMark 11」(中)~スコアの算出方法 (4Gamer.net)

基本的にはCPU+GPUのCombined Testが一番負荷がかかっており消費電力も高くなる
GT730と内臓GPUはCPU負荷の高いPhysicsTestが一番高い
少し気になるのが750TiのPTの値、同じCPU負荷なら消費電力もおおよそ同じになるはずなのにほかより高い
アイドル消費電力が高い分がそのまま差となっただけとも考えられるが…
もしかしてCPU負荷に差があるのかと思いGT730とGTX750Tiで比較してみたがおおよそ同じ感じになっている

GT730                          GTX750Ti
GT730 CPU負荷 GTX750Ti CPU負荷

3DMark11は各テストごとのfpsが計測され、その数値をもとにスコアが算出される

3DMark11 GTX750Ti OC 3DMark11 R7 370

それぞれの数値を表にしてみる

GT1GT2GT3GT4PTCTGraphics ScorePhysics ScoreCombined ScoreP Score
i7-37704.043.924.301.6626.953.666888490787P809
GTX750Ti LE25.4025.5533.2815.0130.1024.73525194835316P5635
GTX750Ti PH25.7725.7933.6015.0930.0324.95529994585365P5680
GTX750Ti OC28.2227.9236.1216.3130.1426.45574194955687P6096
R7 37031.7035.0349.9024.1630.0937.69757094798104P7859
GT7308.728.4410.085.0730.176.52173795031400P1926

CPUが同じなのでPhysics Scoreもほとんど同じになっているが、ただ一つi7-3770内臓GPUではスコアが落ちているのがわかる
この表を見て考えても、750Tiの消費電力がCPU負荷に関係しているわけではなさそうだ



ワットパフォーマンス

そもそもワットパフォーマンスの定義はなんなのか
わからないならググってみる。が、解説しているようなサイトが見つからない
コストパフォーマンスは一番目にWikipediaがヒットするのに、ワットパフォーマンスはWikipediaにも載っていない
仕方がないので2番目にヒットしたこのページを参考にしてみる

*参考
 MAXWELL世代待望のGeForce GTX 960を速攻レビュー (パソコン工房)

どうやら、ベンチマークスコアを最大消費電力で割った数値をワットパフォーマンスとして比較しているようだ
具体的には3DMarkのFire Strikeの総合スコアを最大消費電力で割っている
ベンチソフトが決まっているわけでもない、消費電力も計測方法が決まっているわけでもない
なんともガッバガバな定義のようだ

消費電力とベンチマークスコアはすでに出揃っているのでいくつか計算してみよう
スコア=P、最大消費電力=W、ワットパフォーマンス=P/Wで表記する

FF14ドラクエPSO23DMark11
PWP/WPWP/WPWP/WPWP/W
i7-3770---69438680.7---P8091087.5
GTX750Ti LE843414458.619300107180.478408141556.1P563513940.5
GTX750Ti PH837813263.51944010818079664146545.6P568014140.3
GTX750Ti OC894313964.319382106182.887155146597P609614143.2
R7 370766717344.320484133154100369175573.5P785918143.4
GT73019529420.81176276154.843757260.8P192610119.1

当然750Tiがダントツで…あれれっ?
3DMark11はR7 370がワッパが43.4で一番いい結果になっている
それだけじゃない、PSO2も750TiがOC版こそ597で1番なものの2番目は573.5のR7 370だ
もしかしてラデオンも実はワッパいいんじゃないか!?と思ってしまうが、まさかそんな…
宇宙の法則が乱れる
これはやはり最高値だけを計算したのがまずいのではないか
平均値でも同じように計算してみる

FF14ドラクエPSO23DMark11
PWP/WPWP/WPWP/WPWP/W
i7-3770---694380.290.7---P8097510.8
GTX750Ti LE8434132.763.61930095.9201.378408135.7577.8P5635124.245.4
GTX750Ti PH8378125.366.91944096.5201.579664137.8578.1P5680124.545.6
GTX750Ti OC8943130.468.61938296.1201.787155137.7632.9P6096127.847.7
R7 3707667161.147.620484118.6172.7100369168.8594.6P7859136.857.4
GT730195272.3271176273.7159.7437561.771P192680.523.9

やはり順番は変わらず
ここで改めてワットパフォーマンスというものを考えてみる
言葉をそのまま受け取ると、パフォーマンスをワットで割る=ワットパフォーマンスというのが普通の答えになる
実はこれ、少し違う。正確には
同じパフォーマンスのスコアを消費電力で割る=ワットパフォーマンスとして比較できるのだ
例を挙げてみる

以下はASUSの750Tiを3DMark11で負荷調整したもの
解像度をデフォルトの1280x720から1024x600に下げている
解像度を下げたことで負荷が減りパフォーマンスが上がるわけだ

3DMark11 GScore7710

総合スコアはデフォルト設定から一つでも変更すると算出されなくなるため、Graphics Scoreを比較する
Graphics Scoreが5299から7710となりR7 370のデフォルトスコア7570に近い値となっている
きっちり同じ値にするのは難しいためこれで消費電力を測定
GT1~GT4で一番高い消費電力でGraphics Scoreを割ると

GT1GT2GT3GT4G ScoreP/W
R7 370139132133132757054.5
GTX750Ti PH128121120123529941.4
GTX750Ti PH 低負荷131124123126771058.9

見事に750TiがR7 370をワットパフォーマンスで上回った
これを見てもわかるように、ワットパフォーマンスの値というのは一定ではない

上のほうで書いたパソコン工房のサイトのワットパフォーマンスのグラフ

パソコン工房のワットパフォーマンス

一見それらしいことが書いてあって納得してしまいそうになるが
これはただ変換効率を比較してるだけである
仮にこれが一定数ならあらゆる状態で750Tiはワッパがいいといえよう
では1Wで10のスコア、100Wで1000のスコア、1000Wかければ10000のベンチスコアが出るだろうか?そんなわけはない
電源と同じでグラボの変換効率も負荷によって大きく変わる
負荷が一番少ないアイドル状態だと上のほうに記したデータから750Tiのワッパが最悪となる

もう一つ例を挙げる
さっきと同じASUSの750Tiを今度はGT730にあわせて調整してみる
750Tiの負荷を大きくし、GT730と同じくらいのスコアにする
解像度を1680x1050にし、MSAA Sample Countを8にした

3DMark11 GScore1747

GT1GT2GT3GT4G ScoreP/W
GTX750Ti PH128121120123529941.4
GTX750Ti PH 高負荷119116118126174713.9
GT73079757376173722

GT730が750Tiをワットパフォーマンスで上回っているのがわかる

つまりどういうことかというと、
ワッパを強調したいグラボは、性能の高いグラボが相手なら低負荷のベンチを、性能の低いグラボが相手なら高負荷のベンチを回せばよい

例えば750Tiのワッパを引き立たせたいなら、GTX780あたりを用意してドラクエベンチを回せばいい
GT640あたりならFF14ベンチで対決させれば楽勝だろう
そもそも、ベンチソフト自体なんでもいいのである
750Tiの変換効率がよくなるよう負荷調整してやればいいだけなのだから
ハイエンドグラボなんかだと基本的に前世代のハイエンドが相手になるので、とりあえず高負荷ベンチをぶん回しとけばほぼ間違いなくワッパで勝てるというわけ


ワットパフォーマンス、ワッパという言葉はMaxwellでほんとうによく使われるようになった
性能やら消費電力やらよくわからなくてもMaxwellワッパサイッキョ!この謳い文句だけで売れる
発売からずいぶん経つのに750Tiは一人勝ち状態
GM206に変えて継続するという噂もあるし、この人気いつまで続くのだろうか
今年は新しいGPUが出てくるらしいし、ワッパという便利な言葉を全力で使ってくるんだろうなあ…

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[ 2016/01/18 19:13 ] PC | TB(0) | CM(0)

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